不眠症の治療
不眠症の治療と流れ
不眠の症状がほかの身体・精神的疾患や薬物の作用が原因となっている場合(二次性不眠症)には、まずはその原因を精査して治療することが優先となります。
以下の説明は、他に原因のない不眠症(原発性・一次性)の治療の流れとなります。
不眠症の治療には、お薬を使わず生活習慣を見直すなどして改善する「非薬物療法」と、お薬を使って改善する「薬物療法」とがあり、症状や状況に応じて最も適切な治療法を医師が選択します。これらの「非薬物療法」と「薬物療法」は併用することが最も効果的であることがわかっています(主な非薬物療法については、
快眠のためのセルフケアへ)。
「睡眠薬はこわい」というイメージをもっている方も多いかもしれませんが、昔に比べて、いまの睡眠薬は、副作用が軽減され、安全性も高まっており、眠れるようになってきたら、徐々に薬を減らしたり、薬をやめるようにするなど、医師と相談しながら治療法を選択していくという考え方が主流になっています。
また、これまでに使われてきた「GABA受容体作動薬」に加え、「
メラトニン受容体作動薬」や「
オレキシン受容体拮抗薬」などのお薬も開発され、お薬による治療の選択肢が広がっています。
不眠症は、次のように治療をしていきます。
日常生活を見直し、
不眠の原因となる生活習慣を改善します
まずは、不眠の症状や生活習慣を医師に伝え、医師からの睡眠衛生指導をもとに、不眠の原因となる生活習慣を改善します。
症状に合わせてお薬を服用します
生活習慣の改善と同時に、必要に応じてお薬を使って治療します。
医師の指導のもと、患者さんご自身の症状に合わせたお薬を適切に服用することで、より安心して使用することができます。
生活習慣が是正され、
症状が改善したらお薬を減らしていきます
よい眠りのための生活習慣が身につき、症状がよくなってきたら、いつまでお薬を服用するのか、どのようにお薬を減らしていくのか、医師とよく相談して決めていきます。
自己判断で減らしたり中止したりすると、症状が再発する可能性もあるので、必ず医師に相談しましょう。
お薬をやめても状態が安定していることを
確認し、治療を終了します
お薬をやめても状態が安定していることが確認できたら、 医師の指示に従って治療を終了します。
終了後も、よい眠りのための生活習慣は続けましょう。
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